LCCのメリット・デメリット。実際に利用してみて感じた日本のサービスの良さ。

 このブログでは世間のニュースや個人的な関心事をどんどん発信していこうと思っています(いずれは分野毎にブログを分けて公開していくことも検討していますが今は混在しての情報発信です)。

今回はコラムという形で話をしてきたいと思います。初コラムのテーマはLCC。2012年新聞やニュースでも度々取り上げられましたよね。

LCCとは/


 説明しなくても多くの方が理解されているかと思いますが、念のため説明をする
LCCとはローコストキャリアの略称で、簡単に言えば、安く飛行機に乗れるという
ことです。

2012年はLCC元年とも呼ばれ、日本では多くのLCC航空会社が誕生しました。以下
に日本のLCC一覧を紹介します。

ピーチ:全日本空輸(ANA)と香港の投資会社の出資により設立された。関西国際空港
を拠点とする。

ジェットスター・ジャパンジェットスター日本航空三菱商事の3社の共同出資
により発足したLCC。オーストラリアのカンタス傘下。

エアアジア・ジャパン全日空エアアジアの共同出資で設立。成田空港拠点で
2013年には中・長距離路線にも参入する計画。

スカイマーク:上記3社とは異なり、独立系航空会社でLCCの草分け的存在だが、LCC
とは大別されることもある。2014年には大型旅客機を導入する計画がある。

「航空券代は安いに越したことはない」という方も多いのではないでしょうか。私もLCCは積極的に利用したい方です。ただし、利用に当たってはしっかりメリット・デメリットを理解しておかないと後悔することにもなるかと思います。

メリット・デメリット
 簡単にですがメリット・デメリットを紹介したいと思います。

<メリット>
・ なんといっても安い。通常料金も低価格に設定されているがキャンペーン価格になると数百円という驚異的な安さでプロモーションをすることがある。

・片道でも購入ができる。路線をつないでルートを自由に計画することができる。

・旅程を組むこと自体を楽しめる。一から自分で作り上げるので旅行を
自分で作り上げている充実感を楽しむことができる。

<デメリット>
拠点空港が主要都市の中心部から離れていることが多い。航空券代そのものが安くても都市の中心部からのアクセスにコストと時間がかかることが多い。

・路線が少ない。上記4社があるとはいえ、各航空会社が所有する機材はまだまだ少ないのが現状。飛んでいる路線は大手に比べるとかなり限定される。

・「人を目的地に運ぶ」以外のサービスは基本的にない。機内サービス・ボーディングブリッジの利用・マイレージ得点など、通常の航空会社では当然のサービスがほとんどない。

・遅延・欠航のリスクがある。少ない機材をフル回転させているため、時間に遅れることや、そもそも欠航になってしまうリスクがある。

・座席が狭い。一人でも多く乗客を積むために座席の間隔が狭い。

・キャンセルや変更にかかる手数料が高く設定されていることが多い。一人でも多く乗せる事で利益を得るビジネスモデルなので変更が発生する場合は、その分高くコストがかかる。


利用してみて感じたこと

 色々書いておいてなんですが、私はまだLCCの利用がそれ程多くはありません。国内外を問わず飛行機は数え切れないほど乗ってきましたが、これまでのところそれ程多く機会がなかったのが正直なところです。ですが、年末にようやく念願かなってエアアジアを利用することにありました。

 感想を単刀直入に言うと「普通」です。いい意味でも悪い意味でもです。まず利用した目的が「渡航先まで運んでもらうこと」ですので、機内のサービスなんて個人的にはどうでもいいと思っています。飲み物を出してもらいたい人、機内食を食べたい人は大手航空会社を利用するか別料金を支払えばいいでしょう。私は「運んでもらえさえすれば」目的達成なのでこの点において感想は普通です。

 上記の目的が達成されているので特段文句もありません。ただ、大手の航空会社と違うなと感じた点はいくつかあります。

・座席が非常に狭い。私は身長175cmの中肉中背です。膝は前の座席にあたり、前の方がリクライングをすると機内誌をまっすぐ読むこともできなくなりました。

・CAの方々が乗客の目の前で、指導していたり会話をしていたりされていました。その辺あまり気遣いはないのかな・・・

・機内アナウンスはマニュアルを手に持って丸読み。ここも少し乗客への配慮が足りないかなと思いました。英語力もいまいちでした。

・空港でディレイのアナウンスがあったのですが、搭乗口にいっても掲示板等には一切それに関する情報がなく、本当にディレイなの?という状態でした。もう少し丁寧に案内してくれるとより良かったとは思います。

 ですが、何度も言うように目的が「目的地に運んでくれること」だったのでこの点も特段よくも悪くもないという印象です。


LCC利用で心しておくこと

 先ほど、私が感じたメリット・デメリット(他の方が考えられる点はまだまだあるかもしれません)を挙げました。乗ってみての感想も書きましたが、上記の事をしっかりと理解した上で利用されるべきだと思っています。

 上記では書きませんでしたが、実は私は上記フライトに搭乗はしたもののフライトキャンセルになって出発地である成田空港に引き返してきました。理由は悪天候による目的地の空港がクローズになってしまったことでした。エアアジアデビュー戦は完敗です。

 しかし、天候はエアアジアのせいではないですし元々条件付フライトだったので文句は言えません。残念ながら私の一番の目的である「目的地まで運んでもらう」ということは実現できなかったのですがこれは仕方ありません。

 と思っていたら、周りの方々はだいぶご立腹されていらっしゃいました。カウンターで怒鳴っている人もいました。「他社にでも振り替えて送り届けるのが筋だろ」「現金でキャッシュバックしろ」とのことでした。

 このクレームは先ほどのメリット・デメリットを理解していないために感じる点ではないかと思います。なぜなら、遅延・キャンセルになることが可能性として大手より高い。振り替えの対応が限定される。というデメリットを理解して申込みをしていれば、今回のフライトキャンセルに対する見当違いの怒りをカウンターのスタッフにぶつけることはなかったはずです。

ちゃんとその旨の規定も書いてあります。簡単にまとめると、以下のとおりです。

エアアジア
自社の後続便で振り替えます → 他社では振り替えませんという意味。
全日空
他の輸送機関や他社の飛行機に振り替えます → あらゆる手段でいける手段を検討
し、目的地に送ります。

 日本のサービスは業種・業界を問わず世界トップクラス(おそらくクラスではなくトップだとは思いますが)です。でもそれはあくまで日本人独特の"粋"のサービスです。"粋"が当たり前だと理解するのはおかしいのではないでしょうか。

 私は海外に住んでいた経験があります。そこではサービスの質とコストは比例します。おそらく世界標準はこちらだと思います。

 日本人の"粋"を正しく理解せず、過剰なサービスを要求する世の中になってきてしまっている事実は非常に残念です。だから、以前スカイマークが「機内での苦情は一切受け付けません」「丁寧な言葉遣いを当社客室乗務員に義務付けておりません」 といったことをわざわざ口にするようになったわけです。"粋"を理解しない乗客が「あーだ、こーだ」騒ぎ出したからです。

 ちなみに海外ではLCCのフライトキャンセルや遅延に関して文句を言う人は皆無とのことです。サービスと質の関係性を十分に理解しているからでしょう。

 日本でもこのことを理解しておかないと、日本のよさである"粋"なサービスは絶滅してしまうかもしれません。私はそうなって欲しくないと願っています。

 ということで、LCCを利用する際は、メリット・デメリットをきっちり理解した上で利用していきましょう。

 私はまたエアアジアリベンジをしたいと思っています。